少額の副業でも確定申告必要？お小遣い稼ぎでよくある税の質問

少額の副業でよくある質問

副業での確定申告を怠ると、どのような影響がありますか？脱税になりますか？申告せずにいるとばれて後から支払うことになりますか？

副業で得た利益がある場合、確定申告を怠ると脱税となり、開業届が提出されている場合は申告義務違反になります。昔は少額の場合には目をつぶることもあったものの、最近は厳しくなっており、発覚すると高額な税金が課される可能性があります。

副業所得が年20万以下の場合、確定申告は不要ですが、ふるさと納税をした結果、画面に納税を求めるメッセージが表示されました。これはなぜでしょうか？確定申告すると損になる理由が理解できません。

年間副業所得が20万以下でも、確定申告が不要とされているのは、少額のために調査コストがかかりすぎるからです。しかし、ふるさと納税は別途の制度であり、確定申告を通じて追加で納税が必要となります。確定申告を怠ると、適切な課税が行われないため、不利益が生じる可能性があります。

副業禁止の会社で働いていますが、クラウドワークスなどでの副業は少額でもバレる可能性がありますか？収入の額には関係ないのでしょうか？

副業の収入が20万円以下であれば、納税義務は発生しないため、バレる心配はありません。ただし、20万円を超えると確定申告が必要となり、それに伴い年収が増加します。増えた収入に応じて住民税も上昇するため、副業がバレるのは住民税を納税する際です。

必要な申告を行わなかったらどうなるのか

無申告加算税によるペナルティ

仮に確定申告を行わなかった場合にどうなってしまうのかについて、
もう少し詳しく見ていきましょう。

本業の会社では、源泉徴収をもとに会社が確定申告するので、
あまり納税義務について理解していない人も多いのはでないでしょうか。

「なんか面倒くさそう」、「副業だし、そこまで稼いでないから大丈夫だろう」と安易に考えて、納税をしないなんていうことはやめてください。
所得の金額に限らず、確定申告をすることは義務です。
そのことを決して忘れないでください。
うっかり忘れていたという理由も通用しないので、
自分で責任を持ってきちんと納税するようにしましょう。

納税を怠ると、ペナルティに課せられることがあるので注意しましょう。

ひとつは、“無申告加算税”が発生します。
金額は人によって異なりますが、納付する税額が50万円未満の場合は15％の上乗せがされ、50万円以上の場合は20％が上乗せされ、支払わなくてはなりません。

かなり損をすることになります。また、申告期限を過ぎ、税務署から調査が入る前に自分で気づいて納税すると、税額が5％に軽減されます。

期限内に納税することは必須ですが、万が一忘れてしまっていた場合でも、早めに気づくと、そこまで大きな増額はありません。
しかし、やはり決まったことは期限内に支払うことをまずは忘れないでください。

ただし、期限を過ぎた後での申告でも、要件によっては無申告加算税が発生しないこともあります。国税庁では、次のように示している。

“期限後申告であっても、次の要件をすべて満たす場合には無申告加算税は課されません。

・その期限後申告が、法的申告期限から1カ月以内に自主的に行われていること。
・期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること。

なお、一定の場合とは、次の①および②のいずれにも該当する場合をいいます。

①その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を法定納期限までに納付していると。
②その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税または重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。

参考／国税庁HP：https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm?referral=referral=referral=aw_seikyusho,referral=aw_seikyusho,

延滞税によるペナルティ

無申告加算税は申告の期限を過ぎたり、
金額に不備があった事実に対するペナルティですが、
延滞税は納付期限からの超過日数に比例して課されるペナルティです。

延滞税は、期限後に確定申告を行うと、法定納期限の翌日から確定申告を行うまでの日数に応じてその分、延滞税が増えます。確定申告を期限内に行っても、振り込みの際など、何らかの不備があり納税できなかった場合も対象になるので気を付けましょう。

延滞税の金額は、
納期限の翌日から2カ月以内であれば7.3％が上乗せされ、
2カ月以上超えた場合は14.6％が上乗せされます。

無申告加算税と同様、こちらも忘れていたという理由は通用しません。

最悪、悪質だと判断されると刑事罰に処される可能性もあります。
納税は国民の義務です。副業だから大丈夫という考えは全く通用しません。

災害や事故など、どうしても期日内に行けない場合は、
“災害による申告、納付等の期限延長申請書”を税務署に提出することで、期日を延長することも可能です。どうしても難しい場合は、この申請書を提出してみましょう。

その他のペナルティ

申告が遅れてしまうと、
上記のようなペナルティが課せられるだけではなく、
行政サービスや社会保険料等の免除・減免、住宅や車を買う際のローン契約が組めなくなる可能性もあります。

本業での納税関連の業務は会社が代わりに行ってくれるが、
副業の場合は自分で責任を持って管理しなくてはなりません。

「副業だから・・・」、「そんなに稼いでないし・・・」などと、
安易に考えていると、
本来であれば支払わなくてよい金額まで納税しなくてはならず、損をしてしまいます。

また、「遅れても、支払ったら終わりだから大丈夫」と考えていても、その後の生活において不自由になることも十分考えられます。

今後のローン契約を結ぶ際にも障害になってしまうケースがあります。
せっかく一生懸命稼いでいても、納税を忘れていたことにより、
その後の生活が思うように運ばなければ本末転倒です。

確定申告、住民税の納税は、本業だろうが副業だろうが決して忘れずにきちんと管理をしましょう